日本の科学技術をプロデュースする。
Produce Japan's Science and Technology
日本は「技術で勝って、ビジネスで負ける」と言われてきました。失われた30年の原因は、技術力の不足ではありません。競争ルールの変化への対応の不足です。1990年代、デジタル化によって競争の中心がハードウェアからソフトウェアへ移り、製品は分業と標準化を前提に組み立てられるようになりました。その大きな転換期に、日本は「自国の技術を世界市場の中でどう位置づけ、どんなルールのもとで優位性を築くのか」という戦略を十分に持てなかったのです。
2026年、この競争環境はさらに変わりました。経済は武器化し、技術や製造基盤、サプライチェーンそのものが国家の交渉力になっています。私たちが対応すべき脅威は、分かりやすい戦争だけではありません。サプライチェーンを断つ、重要部品やデータの流れを止める、民間インフラを揺さぶる。そうした手段で社会の機能を鈍らせ、意思決定を揺さぶることが現実に起き得る時代です。だからこそ安全保障は、軍事だけでなく、エネルギー、通信、物流、医療といった社会インフラが機能し続けられるかという領域へ広がっています。どんな運用においてどんな技術が不可欠になるのか、それをどう確保し、誰と共有し、どう維持するのか。こうした視点で技術と安全保障を一体的に捉える「技術安全保障」の考え方が求められているのです。
すなわち、同盟・友好国と協力できる状態を保ちながら、開発・生産・運用を繰り返して技術を更新し続け、強靭な供給網を保つことが求められているのです。こうした産業基盤の持続性があってこそ、自由で開かれたインド太平洋が成り立ちます。
私たちは、この要請に正面から応えるため、日本の技術を世界で勝てる形に仕立てる「プロデューサー」になります。研究と実装、技術と運用の間にある溝を埋め、必要な能力を先回りして形にし、短いサイクルで検証・改善しながら社会実装までつなげる仕組みをつくります。それは、研究成果を「使える形」まで引き上げる縦の接続であり、企業・研究室・現場を補完関係で結び、国産技術の力を最大化する横の接続でもあります。さらに、標準化や知財、制度設計、調達のあり方まで含めて、価値が社会に根づくためのルールづくりにも取り組みます。
私たちは単なるディープテック企業ではありません。安全保障市場のあり方そのものを更新していくリーダー企業として、日本の技術の可能性を、国民の安心・安全につながる形で実装し、自由で開かれた市場とルールを支える力へと変えていきます。
変化に追従し続ける
安全保障エコシステムをつくる。
Built to evolve.
ウクライナ侵攻をはじめとする近年の脅威が示した本質は、「無人機」というモノの導入ではありません。作戦や脅威の変化に合わせて装備と運用を短い周期で更新し続ける「仕組み」の重要性です。ハイブリッド戦の時代、サイバー、認知、経済、インフラまで含めて脅威は複合化し、技術のライフサイクルも加速度的に短くなっています。
JISDAは、官と民、研究と現場、技術と運用を同調させ、試作・実証・改善を繰り返しながら能力を素早く実装します。個別最適の開発ではなく、日本全体として「更新し続ける力」を持つためのエコシステムを設計し、育てていきます。
JISDAの「3つのI」
Integrator:ハードとソフトを動的なシステムに統合する
日本には優れたハードウェア企業が多くある一方で、それを制御・統合するソフトウェア層との連携が弱く、逆にソフト側も現場の制約や機体仕様を十分に織り込めていないことが少なくありません。結果として、性能があっても「つながらない」「実運用で使えない」状態が起き、改善の速度が落ちてしまいます。
私たちはIntegratorとして、国内の要素技術を組み合わせ、実際に動き、改良できる形で再構成していきます。
Interpreter:運用知を設計に翻訳し、更新のサイクルを回す
現場のニーズや戦術の変化が、研究や設計の現場に届きにくいまま開発が進むと、使いにくい装備が生まれ、改善のサイクルが回りません。今求められているのは、状況に応じて柔軟に更新できる仕組みと、それに即応できる開発体制です。
私たちはInterpreterとして、運用を理解し、前線で得られた知見を設計・開発へ素早く反映させる「運用起点の開発エコシステム」を根づかせます。
Institution Designer:制度・標準・調達を更新速度に合わせて設計する
現場と実証から得られた知見が制度設計に反映されず、試験空域、電波運用、契約、輸出管理などの制約が、技術の試行と更新のテンポを落としてしまう場面があります。新しい技術を迅速に試し、改善し、普及させるには、制度・ルール側も同じ速度で更新される必要があります。
私たちはInstitution Designerとして、実証データと現場知に基づき、ルールと運用環境を具体の提案に落とし込み、エコシステム全体の更新速度を支えます。
コンソーシアム型成長戦略
私たちは、「コンソーシアム型成長戦略」を掲げます。 日本には世界水準の要素技術が数多く存在する一方で、各社が自前主義で個別に最適化しやすく、技術同士の接続や仕様のすり合わせが後回しになってしまいます。その結果、優れた技術があっても、システムとして統合されず、標準化や相互運用性の確立が進みません。ひいては、デファクトスタンダードの獲得やルール形成において不利になり、国際市場での競争力を十分に発揮できないケースが生まれてきました。
この課題に対し私たちは、事業領域ごとに専門性を持つコンソーシアムを組成し、参加企業・研究者・現場関係者が同じテーブルで、運用方針と技術仕様を同時にすり合わせながら、プロダクトとエコシステムを設計します。単に共同開発を行うのではなく、要求定義、検証計画、データの取り扱い、標準・知財・調達まで含めて、価値が継続的に更新される仕組みとして組み立てることで、個々の技術のポテンシャルを最大化し、領域全体としての実装速度と国際競争力を引き上げます。
私たちは、国内外のスタートアップ、企業、大学・研究機関、そして現場の実務者まで、志と専門性を共有できるパートナーとは、いつでも手を取り合って進めたいと考えています。ご関心のある方は、ぜひお気軽にご連絡ください。
重点領域
無人機システム
GPSを必要としない独自のSLAM技術を搭載した、自律飛行ドローンおよび水中無人機の開発。通信妨害環境下でも確実な任務遂行を実現します。
Autonomous Flight Control
サイバーセキュリティ
国家レベルのサイバー攻撃をAIがリアルタイムで検知・無効化。量子コンピュータ時代の到来を見据えた、次世代暗号化通信プロトコルを提供。
Cyber Intelligence Suite
防衛医療・ヘルスケア
極限状態の戦場における負傷者の自動トリアージと遠隔手術支援。ウェアラブルデバイスを用いた、隊員のバイタルデータ管理システム。
MedTech Optimization